インフラエンジニアからフリーランスになるタイミングと収入の変化
「将来はフリーランスになって自由に働きたい」——IT転職を考えてる人なら一度は思ったことがあるはず。
今すぐフリーランスになれるわけじゃない。でも、ゴールを知っておくことでキャリアの設計が変わる。月60万円の案件に入ったら手取りはいくらになるのか。いつ独立すべきなのか。インフラエンジニアからフリーランスになるリアルを、SES企業の代表が正直に書きます。
フリーランスインフラエンジニアの収入相場
フリーランスのインフラエンジニアが受け取る月額単価の相場は、案件サイトのデータをベースにすると50〜100万円。経験年数とスキルで大きく変わります。
- 経験3年(構築メイン):月55〜70万円
- 経験5年(設計+構築):月70〜90万円
- 経験7年以上(要件定義・PM):月90〜120万円
年収換算すると、月60万円 × 12ヶ月 = 720万円。会社員3年目の年収350〜450万円と比べると、数字上は大幅アップに見える。
でも、この数字にはカラクリがあります。
月60万円は「手取り60万円」じゃない——フリーランスの経費と税金
フリーランスの月収をそのまま手取りだと思ったら大間違い。会社員時代には見えなかったコストが全部自分に乗ってきます。
- 社会保険料:会社員なら健康保険料・厚生年金の半分を会社が負担してくれる。フリーランスは全額自腹。国民健康保険+国民年金で月5〜8万円かかります。
- 税金:所得税+住民税+個人事業税。年収700万円だと、ざっくり150〜200万円。確定申告も自分でやる。
- 経費:交通費、通信費、書籍代、PC購入費。会社員なら会社が出してくれるものが全部自腹。年間で30〜50万円はかかる。
- 待機リスク:案件が切れた月は収入ゼロ。案件と案件の間に1〜2ヶ月の空白が入ることは珍しくない。
- 福利厚生なし:健康診断、有給休暇、退職金。全部ない。体調崩して1週間休んだら、その分の収入がゼロになる。
リアルな試算をします。月60万円の案件 × 年間11ヶ月稼働(1ヶ月は待機)= 660万円。ここから社保・税金・経費を引くと、手取りは約430〜470万円。
会社員で年収400万円の場合、手取りは約320万円。フリーランスとの差は実質100〜150万円。「月収が倍になる」は幻想です。手取りベースで見ると、思ったほど差は大きくない。
もちろん月80万、100万の案件に入れれば話は変わる。でもそれには5年以上の経験と設計スキルが必要。未経験からすぐにたどり着ける場所じゃない。
フリーランスになるべきタイミング——「早すぎる独立」が一番危ない
「2年経ったらフリーランスになろう」——この考えは危険です。
経験が浅いと月40〜50万円の案件にしか入れない。社保全額自腹、待機リスク、経費を考えると、会社員時代と手取りがほとんど変わらない。それどころか有給も退職金もないぶん、トータルではマイナスになるケースすらある。
独立していいタイミングの目安:
- 正社員として最低3年、理想は5年の実務経験
- 「構築」の実務経験が2年以上。設計経験があればなお良い
- CCNP以上の資格を持っている
- 案件を紹介してくれるエージェントやSES企業との人脈がある
「独立したい」は良い目標です。でも急ぐ必要はない。会社員として安定収入をもらいながら力をつけるほうが、結果的に独立後の単価も高くなる。焦って独立して、低単価の案件をグルグル回すほうがよっぽど損です。
→ キャリアの段階はこちら:インフラエンジニアのキャリアパスを全部見せます
将来フリーランスを目指すなら、最初のキャリア選びが重要。CareerHubではキャリア面談で一緒に計画を立てます。記事の最後で相談方法を紹介しています。
「正社員 → フリーランス」の間に「SES」がちょうどいい理由
いきなりフリーランスは怖い。でも独立への準備を始めたい。それなら正社員SESがベストな選択肢です。
SESのメリットを独立準備の視点で整理すると3つ。
- ① 安定収入:案件の待機中も給料が出る。フリーランスだと待機=収入ゼロ。正社員のうちに貯金を作っておけるのは大きい。
- ② 多様な案件経験:1〜2年ごとに現場が変わるから、スキルが幅広くなる。ネットワークもサーバーもクラウドもやったことがある人は、フリーランスになったとき案件の選択肢が広い。
- ③ 営業不要:案件は会社が取ってくる。この間に技術力を磨くことだけに集中できる。フリーランスになったら営業も自分でやる必要がある。その練習は、正社員のうちにやらなくていい。
正社員SESで3〜5年経験を積む → 単価が上がったタイミングでフリーランスに転向。これが最も安全な独立ルートです。
CareerHubの場合、「いつかフリーランスになりたい」という人も歓迎しています。うちで力をつけて、準備ができたタイミングで独立するのは素晴らしいキャリアだと本気で思ってます。止めません。
うちを卒業してフリーランスで活躍してくれたら、それはCareerHubの育成が成功した証拠です。
→ 年収を上げる方法の全体像はこちら:インフラエンジニアの年収を上げる3つの方法
まとめ——フリーランスは「ゴール」じゃなく「選択肢の1つ」
フリーランスは月収が高い。でも手取りで見ると会社員との差は思ったほど大きくない。社保全額自腹、待機リスク、福利厚生なし。月60万の案件でも手取りは430〜470万円。「倍稼げる」は幻想です。
早すぎる独立が一番危険。最低3年、理想は5年の正社員経験を積んでから。正社員SES → フリーランスが最も安全な独立ルートです。
そしてフリーランスだけが正解じゃない。会社員のまま年収600万円を超える道もある。大事なのは「いつ独立するか」じゃなくて「独立できる力をいつまでにつけるか」。
フリーランスへの道筋も一緒に設計します。まずはLINEで話しましょう。
→ 年収の全体像はこちら:インフラエンジニアの年収リアル|未経験1年目から5年目まで正直に公開
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村上悠司(むらかみ ゆうじ)
株式会社キャリアハブ 代表取締役。外資系IT企業でのセールス経験約10年を経て、未経験エンジニアの育成・派遣に特化したSES企業を設立。