メンタル不調からの復職|IT業界で再起する具体的な方法
うつや適応障害で前職を辞めた。回復はしてきた。でも履歴書を書くと手が止まる。「またあの状態に戻ったらどうしよう」が、毎日頭から離れない。
この記事は、そういう人に向けて書きました。お説教はしません。「ITは再起の場として現実的か?」「通院しながら働けるのか?」を、採用する側の本音で正直に答えます。
なぜインフラエンジニアがメンタル復帰先として現実的か
これまで関わってきたIT現場で、前職メンタル不調から復帰した方を何人も見てきました。共通する感想は「思っていたよりやりやすい」。理由は3つあります。
理由①:人と話す量が少ない。営業や接客と違って、インフラの現場は「機器と画面に向き合う」時間が長い。お客さん対応も基本は社内のシステム担当者だけ。雑談が苦手でも仕事が回ります。
理由②:仕事の境界が明確。監視・運用案件はシフト制で「自分の時間が終わったら帰る」のが基本。営業職のように夜中までLINEが来ることはありません。生活リズムが整いやすい職種です。
理由③:評価が数字で見える。「対応件数」「障害発生時の復旧時間」のように成果が定量化される。「上司の機嫌で評価が変わる」みたいな曖昧さで病みやすい人には、これが案外救いになります。
面接で病歴は伝えるべきか
これがいちばん悩むところです。結論:業務に影響する範囲だけ、簡潔に伝えるのが正解。
全部隠すと入社後にトラブルになります。月1回の通院で半休が必要、夜勤シフトは身体的に厳しい、こういう「働き方の制約」だけは事前に伝えてください。逆に、病名や発症経緯を細かく語る必要はないです。プライバシーです。
NG
「うつ病でして、前職は上司のパワハラで…」と詳細を語る。面接官が反応に困る。会社批判に聞こえると印象が悪い
OK
「体調の事情で前職を離れていた期間があります。現在は通院しながら安定しており、月1回半休をいただければ業務に支障はありません」
ポイントは「現在は安定」「具体的な配慮事項」「業務に支障なし」の3点。事実をフラットに伝えれば、ちゃんとした会社なら問題なく採用してくれます。
復職に向けた現実的なステップ
いきなりフルタイム正社員を狙うとぶり返します。段階を踏んでください。ちなみにCareerHubのCCNA研修は、教員免許を持つ講師が1人ずつ進捗を見る設計です。「みんなと同じペースで進められるか不安」がある方も、自分のペースで進められます。
- Step 1:主治医に「就労可」の見解をもらう。これがないと自分の判断もブレます。診断書は不要、口頭でOK
- Step 2:1日3時間からCCNA学習を始める。通学・通勤の練習にもなる。集中できるなら時間を延ばす
- Step 3:育成型SES企業の面談に行く。「面談=採用」ではない。とりあえず話を聞く感覚で。雰囲気を確かめる
- Step 4:監視・運用案件からスタート。夜勤なしの日勤シフト案件を最優先で選ぶ。営業に明確に伝える
→ CCNA学習の進め方:CCNA独学は可能?必要な期間と挫折しない勉強法
通院しながら働くことに不安があれば、面談時に正直に話してください。配慮できる範囲を一緒に確認します。詳しい相談先は記事末尾に。
避けるべき会社のサイン
メンタル復帰の人を再びすり潰す会社が、業界にゼロとは言いません。下記のサインがあれば即撤退してください。
- 「うちは体育会系です」を売りにしてくる:言葉のままです。再発リスクが高い
- 夜勤前提案件しか紹介してこない:夜勤は生活リズムを破壊する。日勤案件の選択肢がない会社は要注意
- 「病気のことは言わないほうがいい」と隠蔽を促す:採用したあとケアする気がないサイン
- 面接でブランクの理由を執拗に追求してくる:本来は配慮すべき領域。圧迫面接は入社後の扱いも察せる
→ 会社見極めの全体像:SES企業の研修制度を比較|ちゃんと育ててくれる会社の見分け方
復帰後にぶり返さないための3つの習慣
入社できたら終わりじゃない。再発させないための仕組みづくりが大事です。
- 通院は絶対に止めない。体調が良くなっても主治医の指示に従う。自己判断の断薬が一番危ない
- 月1で営業に近況を共有する。困りごとを我慢して溜め込むのが復職失敗の典型パターン。30分の雑談でいい
- 「定着支援の仕組みがある会社」を選ぶ。CareerHubは Home Day(毎日オフィスを開放してメンバーが立ち寄れる場)を設計しています。SESは現場常駐で孤立しがち。孤立しない仕掛けがあるかは本気で重要
よくある質問
障害者手帳がある場合、伝えるべきですか?
手帳の有無を伝えるかどうかは法的に本人の自由です。配慮(通院時の時差出勤、夜勤回避など)を希望する場合は伝えたほうが調整しやすくなります。手帳を持っていることで不利になる扱いは法律で禁止されています。
服薬中でも問題なく働けますか?
主治医から「就労可」の見解が出ている範囲であれば問題ありません。実際に現場で服薬を続けながら長く働いている方は珍しくないです。判断に迷う場合は主治医にも面接予定を共有しておくと安心です。
夜勤シフトは強制されますか?
案件によりますが、日勤限定で配属する選択肢は確保できます。事前に営業へ希望を伝えてください。
まとめ——再起は「無理しない設計」から始まる
- インフラエンジニアは人間関係が薄く境界が明確で、メンタル復帰先として現実的
- 病歴は「業務影響範囲」だけ簡潔に伝える。詳細は不要
- 1日3時間のCCNA学習から段階的に復帰する
- 夜勤前提・体育会系・隠蔽推奨の会社は避ける
- 復職後は通院継続+営業との月1共有+定着支援のある会社選び
再起の入口は、診察室と、たった1通のLINE相談だけです。話を聞くだけで前進できる場所を用意しています。
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村上悠司(むらかみ ゆうじ)
株式会社キャリアハブ 代表取締役。外資系IT企業でのセールス経験約10年を経て、未経験エンジニアの育成・派遣に特化したSES企業を設立。