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SES業界のリアル

SESって何?「やめとけ」って本当? 未経験者の疑問にぜんぶ答えます


手に職もない。資格もない。履歴書に書けるのはバイト経験だけ。

そんな状態でIT業界を調べ始めると、「SES」という言葉にぶつかります。

「派遣と何が違うの?」「やめとけって書いてあるけど本当?」「ブラックなの?」——検索すればするほど不安になる。

この記事は、SES企業を実際に経営している人間が書いています。業界の良いところも悪いところも、売り込みなしで全部書きます。読み終わったら「SESって結局どうなの?」がスッキリするはずです。

SESって何? 30秒でわかる仕組み

SESは「System Engineering Service(システムエンジニアリングサービス)」の略。簡単に言うと、IT企業が自社のエンジニアを、別の会社に「技術力を提供する」形で送り出す仕組みのこと。

わかりにくいですよね? もっと身近な例で説明します。

飲食業で例えるなら「出張シェフ」に近い。あなたはレストラン(SES企業)に正社員として雇われている。でも実際に料理を作るのは、そのレストランではなく、お客さん(クライアント企業)のキッチン。お客さんの注文に合わせて腕を振るう——そんなイメージ。

IT業界では、大企業が自社だけでエンジニアを全員雇うのは難しい。プロジェクトごとに必要な人数が変わるから。だからSES企業からエンジニアを「借りる」。これが日本のIT業界の現実です。

→ そもそもインフラエンジニアって何?という方はこちら:ITエンジニアってどんな仕事? 種類と選び方をゼロから解説

→ インフラエンジニアの全体像はこちら:未経験からインフラエンジニアになるには?完全ロードマップ

「派遣」と何が違うの?

ここが一番混乱するポイント。正直、働く側からすると「やってることはほぼ同じ」に見えます。どちらもクライアント企業のオフィスに行って仕事をするから。

でも法律上の違いがあって、これが意外と大事なんです。

項目SES派遣
指揮命令自社(SES企業)派遣先企業
雇用元SES企業の正社員派遣会社の登録社員
契約の中身技術力の提供労働力の提供
成果物の責任負わない負わない

一番大きな違いは「誰があなたに指示を出すか」という点。SESでは法律上、クライアントが直接あなたに命令することはできません。あなたの上司はあくまでSES企業の人間。

……とはいえ、現場では実質的にクライアントの指示で動くことが多いのも事実。このあたりのグレーゾーンが「SESはよくない」と言われる原因の一つだったりします。

お金の仕組み——あなたの給料はどこから出る?

SESの給料の仕組みはこう。クライアント企業がSES企業に「月額○○万円」を払う。SES企業はそこから自社の利益を抜いて、残りをあなたの給料として支払う。

この「利益の割合」を業界では「還元率」と呼びます。クライアントが月60万円払っていて、あなたの月収が30万円なら還元率50%。この数字が高いほど、エンジニアの取り分が多いということ。

気になる年収の目安はこんな感じ。

  • 未経験1年目——月収約25〜30万円(年収300〜350万円)
  • 構築ができるようになる2〜3年目——月収約30〜38万円(年収350〜450万円)
  • 設計ができる3〜5年目——月収約38〜50万円(年収450〜600万円)

スキルが上がれば年収も上がる。時給で頭打ちになるバイトとは仕組みが根本的に違います。

→ 年収の詳細はこちら:インフラエンジニアのキャリアパスを全部見せます

「SES やめとけ」と言われる4つの理由

ネットで「SES」と検索すると、「やめとけ」「闇」「ブラック」という言葉がセットで出てきます。なぜそう言われるのか? 正直に全部書きます。

問題① 案件を選べない

SES企業によっては、エンジニアの意向を無視して案件を決めることがあります。「ネットワークの仕事がしたい」と言ったのに、コールセンターのヘルプデスクに配属される——こういうミスマッチが起きる。スキルアップにつながらない案件に長期間はりつけられるのは、キャリアにとって致命的です。

問題② 待機(案件が決まらない期間)が不安

案件と案件の間に「待機」が発生することがある。この間も給料は出るけど、会社によっては減額される。待機が長引くと「自分は必要とされてないのかな」と不安になるし、実際に退職を促されるケースもある。

問題③ 現場で孤独になる

SESはクライアント先に1人で配属されることが多い。周りは別の会社の人間。困ったことがあっても気軽に相談できる先輩がいない。この「孤独」が原因で辞める人が本当に多いんです。

問題④ スキルが上がっても給料に反映されない

クライアントが払う単価は上がっているのに、エンジニアの給料は変わらない。利益をSES企業が持っていく。還元率を公開していない会社ほど、この問題が起きやすい。

——ここまで読んで「やっぱりSESはやめた方がいいのかな」と思ったかもしれません。

でも、冷静に考えてほしいことがあります。これらの問題は「SESという仕組み」の問題ではなく、「会社の姿勢」の問題です。

それでもSESを選ぶ理由——未経験者にとっての3つの強み

問題があるのは事実。でも、未経験からITエンジニアを目指すなら、SESには他の選択肢にない強みがあります。

強み① 未経験でも正社員になれる

自社開発の企業は、経験者しか採らないのが普通。でもSES企業は未経験を採用して育てるビジネスモデルだから、「経験ゼロ」でも入口がある。これが一番大きな強みです。

強み② いろんな現場を経験できる

SESは案件ごとに現場が変わる。最初は「たらい回しじゃないか」と思うかもしれないけど、実はこれが武器になる。複数の環境を経験することで「自分はこの分野が向いてる」と見つけられるし、技術の引き出しも増えます。

強み③ 大企業のプロジェクトに参加できる

SESのクライアントは大手企業が多い。通信キャリア、金融機関、官公庁——普通なら入れない会社のシステムに携われる。履歴書に「○○銀行のネットワーク構築に参画」と書けるのは、転職時に大きな武器になります。

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「良いSES企業」の見分け方——3つのチェックポイント

SESの良し悪しは「仕組み」じゃなくて「会社」で決まる。じゃあ、どうやって良い会社を見分けるのか? 3つのポイントを教えます。

① 還元率を公開しているか

クライアントからいくらもらって、あなたにいくら払うか。この数字を隠す会社は信用しないほうがいい。還元率60%以上を公開している会社なら、まず問題ない。

② 研修制度が具体的か

「研修あり」とだけ書いてる会社は要注意。何日間で、何を、誰が教えてくれるのか。カリキュラムを具体的に説明できる会社を選んでください。「見せてくれない=中身がない」と思ったほうが安全です。

③ 配属後のフォロー体制があるか

現場に送り出した後、放置する会社は多い。定期面談はあるか、帰社日(会社に戻って仲間と会える日)はあるか、困ったときにすぐ相談できる窓口はあるか。ここを面接で必ず確認してください。

問題に本気で向き合っているSES企業は、何をしているのか

さっき挙げた4つの問題に、正面から向き合おうとしている会社も存在します。

ここからは自分たちの話になりますが、宣伝ではなく「なぜそうしているか」の考え方を書きます。キャリアハブはSES企業です。業界の問題は全部知っています。知った上で、一つずつ潰しにいっています。

→ 問題①「案件を選べない」に対して

エンジニアの希望とスキルレベルを見て、成長につながる案件を選んでいます。「とりあえず空いてるところに入れる」は絶対にしない。

→ 問題②「待機が不安」に対して

エンジニアのキャリアを守るのは営業の仕事です。ここは代表の自分が責任を持つ部分。IT営業を10年やってきた経験を、エンジニアの案件開拓に全部使います。

→ 問題③「現場で孤独」に対して

オフィスを毎日開放して「Home Day」にしています。配属先で孤独を感じても、いつでも帰れる場所がある。自習もできるし、仲間とも会える。「一人にしない」は、うちの一番のこだわりです。

→ 問題④「スキルが上がっても給料に反映されない」に対して

スキルが上がれば案件単価も上がる。それをちゃんと給料に反映させる。当たり前のことを当たり前にやるだけですが、これができてない会社が多いのが現実です。

研修はCCNA取得を目標に1.5ヶ月。教員免許を持つ講師がマンツーマンで教えます。受験費用は会社負担。

→ CCNAの詳しい情報はこちら:CCNAとは?未経験者が知っておくべき全知識

まとめ——SESは「仕組み」より「会社」で選べ

SESという仕組み自体は、良くも悪くもない。問題があるとしたら、それは仕組みのせいじゃなくて、その仕組みをどう使っているかの「会社の姿勢」の問題です。

未経験からITエンジニアを目指すなら、SESは最も現実的な入口の一つ。大事なのは「SESかどうか」ではなく「どの会社を選ぶか」。

この記事に書いた見分け方を使って、あなたに合う会社を見つけてください。

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村上悠司

村上悠司(むらかみ ゆうじ)

株式会社キャリアハブ 代表取締役。外資系IT企業でのセールス経験約10年を経て、未経験エンジニアの育成・派遣に特化したSES企業を設立。

「ちょっと話を聞いてみたい」——それだけで大丈夫です。

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