株式会社キャリアハブ
エンジニアの働き方

キッティング・ヘルプデスク・運用保守とは?未経験の仕事を具体的に解説


「インフラエンジニアの仕事に興味はある。でも、自分が実際に何をするのか、まったく想像できない」——ここで足が止まる人、めちゃくちゃ多いです。

求人票に書いてある「キッティング」「ヘルプデスク」「運用保守」。カタカナと漢字が並ぶだけで、中身がイメージできない。だから応募のボタンが押せない。

この記事では、未経験のあなたが入社後に配属される可能性の高いこの3つの仕事を、「朝オフィスに着いてから何をするのか」まで具体的にお見せします。読み終わる頃には、働いている自分の姿が頭に浮かぶはずです。

未経験の入口は、だいたいこの3つに集約される

インフラエンジニアと聞くと、暗い部屋でサーバーをカタカタ触るイメージがあるかもしれません。でも実際、未経験で入って最初にやる仕事は、もっと地に足のついた作業です。

その入口が「キッティング」「ヘルプデスク」「運用保守」の3つ。共通しているのは、マニュアルや手順書があって、初日から手を動かせること。いきなり難しい設計を任される、なんてことはありません。飲食店に入って初日からコース料理を任されないのと同じです。まずは決まった作業から。

では、1つずつ「実際に何をするのか」を見ていきましょう。

① キッティング — PC・機器の「セットアップ職人」

キッティングをひとことで言うと、「箱から出したばかりのパソコンを、すぐ使える状態に仕上げる仕事」です。

イメージしてください。ある会社が社員100人分のパソコンを新しく入れ替える。段ボールに入った新品のPCが100台、どーんと届く。でも箱から出しただけじゃ使えない。電源を入れて、初期設定して、会社で使うソフトを入れて、やっと社員に渡せる。この「使える状態にする」作業がキッティングです。

具体的な作業の流れ(1台あたり)

1. 開梱・接続

段ボールからPCを取り出し、モニター・キーボード・マウス・LANケーブルをつなぐ。地味に体を使う。1日中やると腕がパンパンになる現場も

2. OS・ネットワークの初期設定

Windowsの初期セットアップ、会社のネットワークに繋がるようIPアドレスなどを設定。手順書に「ここをこう入力」と書いてあるので、その通りに進める

3. ソフトのインストール

ウイルス対策ソフト、メールソフト、業務で使うアプリを決められた通りに入れる。100台を効率よくやるため、コピー用のイメージを一括で流し込む現場もある

4. 資産管理シール貼り・動作確認

「この1台は誰のPC」と管理するための番号シールを貼る。最後にネットに繋がるか、ソフトが起動するかをチェックして完成

数人のチームで流れ作業のように分担することが多い。「開梱担当」「設定担当」「確認担当」みたいに。人と喋るより、黙々と手を動かすのが好きな人に向いてます。

そして侮れないのが、キッティングをやるとパソコンの中身(OSって何か、ネットワーク設定って何か、ソフトはどう入るのか)を一通り触ること。参考書で「IPアドレス」と読んでもピンとこなかったものが、100台設定するうちに「あ、これのことか」と手で分かる。基礎を体に叩き込む、最短ルートなんです。

→ キッティングをもっと詳しく(作業フロー図解つき):キッティングとは?仕事内容を図解でわかりやすく解説

② ヘルプデスク — 「困った」に応えるIT版カスタマーサポート

ヘルプデスクは、「パソコンやシステムで困った人からの問い合わせに対応する窓口」です。IT版のカスタマーサポート、と考えるとイメージしやすい。

対応する相手は、会社の社員だったり、そのサービスを使っている一般のお客さんだったり。連絡は電話・チャット・メールで来ます。

実際にくる問い合わせ、こんな感じです

「パスワードを忘れてログインできません」

→ 本人確認をして、パスワードをリセットする手順を案内。いちばん多い問い合わせのひとつ

「プリンターで印刷できないんですけど」

→ 電源は入ってるか、ケーブルは繋がってるか、順番に確認して切り分ける。マニュアルにチェック項目が並んでいる

「メールが送れなくなった」

→ ネットに繋がってるか、設定が変わってないかを確認。自分で解決できない場合は、詳しい担当(上位)にバトンを渡す

ポイントは、ほとんどの問い合わせに「対応マニュアル」があること。「この症状ならまずこれを確認」という手順が決まっているので、未経験でも順番通りに進めれば対応できます。それでも解決しないものだけ、先輩や専門チームにエスカレーション(引き継ぎ)する。

「クレーム対応がキツそう」と身構える人もいるけど、正直、大半は困っている人を助けて「ありがとう、助かった」と言われる仕事です。人の役に立った実感が、その日のうちに返ってくる。誰かの困りごとを解決するのが嫌いじゃない人に向いてます。

→ ヘルプデスクをもっと詳しく(対応フロー図解つき):ヘルプデスクとは?仕事内容を図解でわかりやすく解説

「自分はどのタイプの仕事が合ってそうか、話しながら整理したい」——そんな相談も大歓迎です。この記事の最後に、LINEで気軽に聞ける窓口を用意しています。

③ 運用保守 — システムを見守る「番人」

運用保守は、「サーバーやネットワークが正しく動いているか見守って、問題があれば対応する仕事」です。新しいものを「つくる」のではなく、今動いているシステムを「守る」側。

スマホのアプリも、ネットショッピングも、裏側でサーバーが24時間動き続けているから使えます。それが止まると大問題。だから誰かが常に見張っている必要がある。その役目が運用保守です。

日々やっていること

監視ツールのチェック

専用の画面でサーバーの状態を見る。緑=正常、赤=異常。信号機みたいなもの。赤いアラートが出たら対応開始

アラート対応(手順書ベース)

「このアラートが出たらこうする」という手順書に沿って対応。判断に迷ったら先輩に確認。1人で無茶な判断はしない

定例作業(バックアップ・ログ確認)

毎日決まった時間に、データのバックアップが取れているか、記録に異常がないかを確認。地味だけど、これを怠ると事故になる

現場によってはシフト制で、夜勤を含む交代勤務のところもあります。24時間止められないシステムを守るためです。夜勤には手当が付くので、収入面ではプラスになることも。

運用保守の1日の流れは、出勤から退勤まで別の記事で丸ごと公開しています。「実際のタイムライン」が気になる人はこちらへ。

→ 運用保守の1日を時系列で:インフラエンジニアの1日のスケジュール(運用保守編)

→ 運用保守をもっと詳しく(基本ループ・4カテゴリ図解つき):運用保守とは?仕事内容を図解でわかりやすく解説

3つの違いを、ひと目でまとめると

仕事ひとことで言うと主な相手向いてる人
キッティングPCを使える状態に仕上げるパソコン(モノ)黙々と手を動かすのが好き
ヘルプデスク困った人の問い合わせに対応人(社員・お客さん)人の役に立つのが嬉しい
運用保守システムを見守り・守るサーバー・ネットワークコツコツ・正確な作業が得意

どれが「上」でも「下」でもありません。案件によって配属先が決まるので、まずは目の前の仕事で基礎を固めるのが正解です。

→ 自分に向いてる方向を知りたい人へ:インフラエンジニアに向いてる人の5つの特徴

入口の仕事は、ゴールじゃなくてスタート地点

ここまで読んで「思ったより地味かも」と感じた人、正直な感想だと思います。実際、入口の仕事は派手じゃない。

でも、この地味な仕事で身につく「機器の扱い」「トラブルの切り分け」「手順書を正確に読む力」が、次のステップの土台になります。1〜3年目で「つくる側」=構築の仕事に進み、その先に設計・要件定義が待っている。年収も、入口の300万円台から、経験を積むごとに上がっていきます。

コンビニのバイトだって、最初はレジと品出しから覚えた。そこを飛ばして店長にはなれない。エンジニアも同じで、入口の1年があるから、その先の「かっこいい仕事」にたどり着けるんです。

→ キャリアの全体像はこちら:未経験からどこまで行ける?インフラエンジニアのキャリアパスを全部見せます

「現場に1人」で孤立させない——Home Dayという居場所

どの仕事も、常駐先では基本的に少人数、時には1人で入ります。わからないことがあっても、気軽に聞ける相手がその場にいない——これがSES業界で未経験者が辞めていく、いちばんの原因です。

キャリアハブには、毎日開放しているHome Dayがあります。退勤後に立ち寄って、今日あったことを話せる。詰まったところを質問できる。同期と情報交換もできる。「月1回の帰社日」ではなく「毎日来られる場所」。これが、1人で抱え込ませないための、私たちの答えです。

よくある質問

未経験はどれから始まりますか?

配属先の案件によりますが、入口はこの3つのどれかがほとんどです。キッティングは短期プロジェクトで発生し、ヘルプデスクと運用保守は長く続く常駐現場が多い。どれもマニュアル・手順書があるので、初日から手を動かせます。

キッティングは同じ作業の繰り返しで飽きませんか?

単純作業の側面はあります。ただPCの中身を一通り触るので、パソコンの構造を体で覚える最短ルートでもある。ここで基礎を掴んだ人が、運用保守や構築に進んでいきます。

人と話すのが苦手でもヘルプデスクはできますか?

電話中心の現場もあれば、チャット・メール中心の現場もあります。問い合わせの多くは定番で、対応マニュアルが用意されている。順番通りに切り分けられる人なら務まります。

運用保守は必ず夜勤ですか?

現場次第です。日勤のみのシフトもあれば、夜勤を含む交代制の現場もある。夜勤がある場合は手当が付くので、収入面ではプラスになるケースが多いです。

必要な資格やスキルは?

入口の段階で高度なスキルは要りません。ただしネットワークの基礎(CCNAレベル)があると、なぜその作業をするのかが分かり、次に進みやすくなります。キャリアハブでは入社前にCCNA取得を支援しています。

→ CCNAって何?という人はこちら:CCNAとは?未経験者が知るべき全知識

ずっとこの仕事のままですか?

入口で基礎を固めた人は、1〜3年目で構築へ進みます。その先に設計・要件定義があり、年収も上がっていく。入口はゴールではなく、キャリアのスタート地点です。

現場に1人で放り込まれて詰みませんか?

未経験者が辞める最大の原因が「現場で孤立して相談できない」です。キャリアハブでは毎日開放のHome Dayで、退勤後に質問・相談ができます。1人で抱え込ませない仕組みを用意しています。

まとめ

キッティングは「PCを仕上げる」、ヘルプデスクは「困った人を助ける」、運用保守は「システムを見守る」。どれも入口はマニュアルがあって、未経験でも初日から手を動かせる仕事です。

大事なのは、これらが派手じゃなくても、その先のキャリアの土台になるということ。地味な1年を積んだ人が、構築・設計へと進んでいく。あなたが今「想像できない」と止まっている入口は、実はちゃんと歩ける道です。

→ インフラエンジニアの全体像はこちら:未経験からインフラエンジニアになるには?完全ロードマップ


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村上悠司

村上悠司(むらかみ ゆうじ)

株式会社キャリアハブ 代表取締役。外資系IT企業でのセールス経験約10年を経て、未経験エンジニアの育成に特化したSES企業を設立。

「ちょっと話を聞いてみたい」——それだけで大丈夫です。

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