SESの給料が安いと言われる理由と実態|搾取されない会社の見分け方
「SES 給料 安い」で検索してるあなた、正直に言おう。その不安、半分は正しくて半分は間違ってる。
SES企業の代表をやっている立場として、業界の闇も光も両方知ってる。だから今日は、給料が安く「見える」カラクリと、本当に搾取される会社の見分け方を全部書く。
結論から言うと、「SESだから安い」のではなく「選ぶ会社を間違えると安くなる」。ここを知ってるかどうかで、3年後の年収が100万円以上変わる。
SESの給料が安く「見える」3つの理由
ネットで「SES 年収 低い」と叩かれる理由には、構造的な背景がある。1つずつ解説する。
理由①:多重下請け構造で中抜きされる
IT業界には「元請け→1次請け→2次請け→3次請け」という階層がある。間に会社が入るたびにマージン(手数料)が抜かれて、末端のエンジニアに届く金額が減る。これが「SES=安い」の一番大きな原因。
ただし、全てのSES企業が3次請け・4次請けなわけじゃない。元請けやエンド企業(最終的な発注元)と直接取引してる会社なら、中抜きは最小限で済む。ここが会社選びの分かれ道になる。
理由②:社会保険料や研修費が差し引かれた後の手取り
SES企業の給料は、社会保険料(健康保険・年金など)の会社負担分と研修費を引いた後の金額。フリーランスの報酬と比較して「安い!」と騒ぐ人がいるが、フリーランスは保険も年金も全部自腹。条件が違う。
社保の会社負担分は額面の約15%。年収300万円なら、会社は実際には345万円くらい払ってる。見えないコストが乗ってることを知っておいてほしい。
理由③:スキル不足のまま運用・監視案件に留まる
これが一番深刻な原因。未経験で入社して、研修もなく運用・監視(サーバーやネットワークを見守る仕事)にずっと張り付く。スキルが上がらないから、いつまでも月収25万円のまま。
「SESの給料が安い」と嘆いてる人の多くは、実はこのパターン。会社がステップアップの道を用意してくれなかった結果なんだ。
SESエンジニアの年収、実際の数字はこう
「安い安い」と言われるSESだが、ステージが上がれば年収も上がる。これがリアルな相場感。
- 運用・監視(0〜1年目):年収300〜350万円(月収25〜30万円)——正直、高くはない。でもフリーター時代と比べてどうだろう?
- 構築(1〜3年目):年収350〜450万円(月収30〜38万円)——資格を取ってスキルが上がると、ここに乗れる。同年代の平均年収を超え始める
- 設計(3〜5年目):年収450〜600万円(月収38〜50万円)——ネットワークやサーバーの設計ができると、一気に跳ねる。「SES=安い」とは言えない水準
ポイントは「0〜1年目の給料がそのまま続くわけじゃない」ということ。スキルを積み上げた人は確実に上がっていく。逆に言えば、3年経っても運用・監視のままなら、それは会社の問題だ。
→ 年次ごとの詳しい年収推移はこちら:インフラエンジニアの年収リアル|未経験1年目から5年目まで
「自分の場合、どのくらいの年収になるんだろう?」——気になったら、LINEで気軽に聞いてみてください。記事の最後で相談方法を紹介しています。
搾取されやすいSES企業の特徴——こういう会社は避けろ
「SESの給料が安い」の正体は、多くの場合「搾取する会社に入ってしまった」こと。以下の特徴に当てはまる会社は要注意。
還元率(給料に回る割合)を教えてくれない
まともな会社なら、聞けば答えてくれる。「企業秘密です」と濁す会社は、後ろめたい数字を隠してる可能性が高い。
入社後の研修がゼロ、または形だけ
未経験で入って研修なし。いきなり現場に放り出される。これだと運用・監視から抜け出せない。研修がないということは「あなたを育てる気がない=安い案件で使い続けたい」という意味だと思っていい。
何年経っても監視案件から動かしてくれない
入社2年、3年経っても案件が変わらない。上位の案件にチャレンジさせてもらえない。これは会社が「安定した売上」を優先して、あなたのキャリアを犠牲にしてるパターンだ。
キャリア面談・フォローがない
現場に送り出したら放置。「何か困ったことない?」の一言もない。あなたは「売上を生む駒」でしかない。こういう会社では、給料が上がる見込みはない。
搾取されない会社の見分け方——面接で聞くべき5つの質問
じゃあ、どうやってまともな会社を見分ければいいのか。面接で以下の質問をぶつけてみてほしい。答え方で一発でわかる。
- ①「還元率と、その計算方法を教えてください」——具体的な数字と計算式を出せる会社は信用できる。曖昧にする会社はアウト
- ②「入社後の研修内容と期間を教えてください」——「OJTです」だけの会社は要注意。カリキュラムの中身を聞こう
- ③「未経験入社の方は、1年後にどんな案件に入っていますか?」——具体的な事例を出せるか。「人による」で逃げる会社は実績がない
- ④「案件を変えたい場合、どういうプロセスですか?」——本人の意思で案件を変えられる仕組みがあるかどうか。ここが一番重要
- ⑤「入社3年目の方の平均年収はいくらですか?」——答えられない会社は、3年続く人がいない可能性がある。離職率の裏返し
「こんなこと聞いていいのかな…」と思うかもしれない。でも大丈夫。むしろ、こういう質問を嫌がる会社は最初から避けたほうがいい。まともな会社は喜んで答えてくれる。
→ 面接対策の詳細はこちら:SES企業の面接で確認すべき5つの質問
「給料が安い」は入口の話——3年後が本当の勝負
SESの1年目が年収300万円台なのは事実。これは安いと思うかもしれない。でも、ちょっと冷静に考えてみてほしい。
フリーターのままだったら?コンビニや居酒屋で年収200万円前後。昇給の見込みはほぼゼロ。5年後も同じ金額。10年後も同じ。
SESで正しい会社を選んだら?1年目は300万円。でも資格を取って構築案件に入れば2〜3年目で400万円台。設計までいけば5年目には500〜600万円。これは同世代の平均を余裕で超える数字だ。
大事なのは「入口の年収」じゃなくて「年収が上がる仕組みがある会社かどうか」。1年目の給料だけで判断したら、一番大事なところを見落とす。
まとめ——SESの給料が安いかどうかは、あなたの選択で決まる
- SESの給料が安く見える原因は「多重下請け」「社保コスト」「スキル停滞」の3つ
- 実態は、スキルが上がれば年収も上がる。設計ができれば年収450〜600万円
- 搾取する会社の共通点は「還元率を隠す」「研修ゼロ」「案件固定」「放置」
- 面接で5つの質問をぶつければ、まともな会社かどうかは見抜ける
- 入口の年収で判断するな。3年後の年収で比較しろ
この記事を読んで「で、おまえの会社はどうなの?」と思ったら、遠慮なく聞いてきてほしい。還元率も研修内容も、全部オープンに話します。
→ SESの全体像を知りたい方はこちら:SESって何?「やめとけ」って本当? 未経験者の疑問にぜんぶ答えます
→ 年収の全体像はこちら:インフラエンジニアの年収リアル|未経験1年目から5年目まで正直に公開
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村上悠司(むらかみ ゆうじ)
株式会社キャリアハブ 代表取締役。外資系IT企業でのセールス経験約10年を経て、未経験エンジニアの育成・派遣に特化したSES企業を設立。